タコ

4年と5ヶ月の間、岩に張り付き約150個の卵を守り続けていたタコが観測されました。科学誌PLOS Oneにより発表された情報です。この長い抱卵期間は、いままでの最長記録であったジャイアント・レッド・シュリンプの20ヶ月という記録を塗り替えることとなりました。 (Photograph via BBC)

観測の経緯

研究を率いたブルース・ロビンソン博士とその研究チームは、2007年5月、カリフォルニア沖の水深1.4kmの場所でタコが卵を産みつけている場面に遭遇します。「とても興奮しました。始まりに遭遇したと思いましたよ。抱卵の始まりに出くわすことなんてめったに出来ませんからね。」とロビンソン博士が語りました。母タコは岩などに産み付けられた卵を外的から守るためそこに張り付き、また水を送り込み、酸素を供給します。

それから4年半の間、チームはさらに18回の調査を行いました。「潜る度に驚かされました。我々は毎回毎回、彼女がそこにいるのを見つけるわけですから。」

4年半の間何も食べていない可能性が高い

ロビンソン博士は、母タコは53ヶ月の間何も食べていない可能性が高いと推測します。ほとんどのタコは抱卵の間は何も食べないとされています。研究チームの観測によると、タコの格好の餌となるカニやエビに興味を示したのは、それらが百数個の卵の近くを通った時に追い払う時だけだったといいます。潜水艇のアームを使って餌を与えようとしても、ことごとく無視されたそうです。また水族館管理者のケリー・パーキンスさんは、産み付けなかった卵から栄養を得ていたか、ごくたまに餌を食べていたのではないかとも予測しています。

なぜそんなに長く生きれたのか

約3℃という低水温によって代謝速度が落ちたことによって、少しかもしくは全く餌を食べずして、ここまでの長い抱卵に繋がったと見られています。

タコはその後どうなったのか

2011年9月、タコと卵はまだそこにありました。10月までにタコはいなくなっており、空になった卵が残されていました。ロビンソン博士によると、母タコはおそらく死んだとのことです。

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4年半後、そこには空の卵だけが残っていた (Photograh via BBC)


via: BBC