ヘビ

涼しげな顔で木の幹などに巻きついているヘビですが、実は必要な力の5倍を使っていることが研究で分かりました。

安全第一

研究では、布テープが巻かれた垂直方向のシリンダーに圧力センサーを取り付け、5種類のヘビ10匹それぞれがシリンダーに巻きついて登っていく時の力が計測されました。

すると、実験した10匹のヘビ全てが自分の体を支えるのに必要な強さよりもずっと強い力を使っていたのです。これはヘビが効率性よりも安全性を重視しているということを示しています。エネルギーを温存することよりも、できるだけ落ちる確率を減らすことを選んでいるのです。

グレッグ・バーンズ博士はこう言います。「十分な力以上で巻きつくという選択を、動物自身が選んだということが興味深いですね。」

これは人間が重い物や持ちにくい物を持つときにも起こることでもあり、そういった場合私たちは必要な強さよりも2~4倍の力を使っているそうです。

何かに登ると言うことはヘビにとって大仕事であり、獲物を締め上げる時も心臓が止まるとすぐに巻きつくのをやめるヘビもいることから、研究者たちは登る時の力も節約的であろうと予測していました。ですので、必要な強さよりも2~5倍の強さで巻きつくということに研究者たちは驚かされました。

驚かされる結果ではあったものの、これは納得のいくことであるとバーンズ博士は語ります。「小川を飛び越える時のことを想像してみて下さい。あなたはどのくらいまで飛びますか?ギリギリのところ、それともできるだけ遠くへ?もしくは、パイント・グラスの淵を指二本で握るとしたら、あなたは本来必要な力よりもどれくらい強く握るでしょうか?」


参考文献:BBC News - Tree-hugging snakes squeeze tight for safety, Get a Death Grip! Why Snakes Don't Slip When Climbing Trees