コーヒー

コーヒーにはカフェインという物質が含まれていることは有名です。そのカフェインには疲れの解消や幸福感を与える効果があると言われています。

YouTubeチャンネル、AsapSCIENCEさんの動画からの内容をご紹介します。


Video by AsapSCIENCE

人は起きている間、アデノシンという物質が少しずつ脳に蓄積されていきます。このアデノシンは脳の活動を遅くするレセプターに結びつくので、アデノシンが多いほど脳はより多くの疲れを感じるということになります。人は長く起きているほど疲れも多くなるものなのでこれは理に適っていることです。逆に眠っている時はアデノシンの集結は減少していき、少しずつ目覚めが促進されていきます。

コーヒーに含まれているカフェインはアデノシンととてもよく似た構造をしているので、アデノシンと競合してアデノシンのレセプターと結びつきます。しかしカフェインはアデノシンではないので、レセプターと結びついても脳に眠気を感じさせることはないのです。こうなるとアデノシンはもう結びつくことが出来なくなり、その鎮める性質は減少していきます。

これは疲れを感じている時にはすばらしい効果です。しかしカフェインが長期に渡って使用されると、脳はよりアデノシンのレセプターを増やして対応しようとします。つまりカフェインによって同じ効果を得るためにはより多くの摂取が必要になるということを意味し、コーヒーをやめようとしたり飲みそびれたりすると禁断症状のようなものを感じる可能性があり、コーヒーを飲み始める以前に感じていたよりも強い疲れを感じるかもしれません。

カフェインの効果はそれだけではありません。カフェインはアドレナリンの分泌も刺激します。「ファイト・オア・フライト・ホルモン(戦闘か逃亡ホルモン)」とも言われているアドレナリンは、心拍数を上げたり気道を広げたりします。さらにカフェインはドーパミンが脳内で再吸収されるのを防ぐことによってドーパミンレベルに作用して幸せな気分にもしてくれます。実際のところこれはコカインがもたらす効果と全く同じであり、その度合いが低いだけなのです。このドーパミン刺激もまたコーヒーに適度な中毒性をもたらしている側面なのです。

ところで、コーヒーの飲みすぎということは起こり得るのでしょうか?カフェインには致死量があることが分かっていて、体重1キログラムあたり150mg前後の量であるとされています。体重70kgの人がカフェインを過剰摂取するには14,000mgが必要になります。一般的に見て1カップのコーヒーにはおよそ150mgのカフェインが含まれているので、体重70kgの人はおよそ70杯のコーヒーがほぼ致死量ということになります。しかし一度にそれだけの量を胃に入れることは物理的に無理だと思われるので、コーヒーによるカフェインの過剰摂取はおそらく不可能でしょう。さらにそこに到達するまでに躁や幻覚の症状にも襲われることになるでしょう。

(※ここで言われているのはあくまで「致死量」です。カフェインの影響自体はもっと少ない段階から出てきます。カフェインの耐性が低い人やカフェイン過敏症の人もいるので、体調や体質に合わせて飲んだ方が良いかと思います。)

カフェインには約6時間という半減期があります。なので、150mgのカフェインを含む一般的なコーヒーを飲んでいたとすると、6時間後には体内には75mgのカフェインが残されているということになり、その効果も半分しか感じられなくなっていることでしょう。さらにその6時間後には37.5mgのカフェインしか残っていないということになり、アデノシンが活躍する余裕がますます広くなります。だからこそ、その良い気分を維持するために次々に飲んでしまうのです。