恐竜が巨大であるという事はもはやほとんどの人が知っている事であり、今さら「巨大な恐竜」と言ってもそれほどのインパクトは感じられ無いかもしれません。しかし今回発見された恐竜はその中でも特に巨大なものなのです。

ドレッドノータス・シュラニ
Photo by Drexel University

アルゼンチンのパタゴニア南部で発掘されたこの恐竜は、その無敵とも思えるような巨大さから「何も恐れない」を意味する「ドレッドノート(Dreadnought)」にちなんでDreadnoughtus schraniドレッドノータス・シュラニ)と名付けられました。「schrani」は研究を支援したアメリカの企業家アダム・シュラン氏に由来するものです。

科学者達の推測によると、ドレッドノータスは7700万年前に生存し、体長26メートル、体重およそ65トンであるとされています。この重さは旅客機のボーイング737以上で、アフリカ像12頭分にほぼ相当し、ティラノザウルス・レックス7頭分以上の重さということになります。この重さは以前最も重い陸上生物とされていたElaltitan(エラルタイタン)の47トンという数字を大きく塗り替えることになりました。

ドレッドノータスの大腿骨
ドレッドノータス・シュラニ
Photo by Drexel University

ドレッドノータスの化石は2005年から2009年に4回に渡って発掘され、多くの骨が見つかりかなり完全に近い状態の標本となりました。同じ場所でこの種の小型の標本も発見されていますが、そちらはより不完全な状態だったそうです。

発掘された標本の一部、奥にある巨大なものが大腿骨ドレッドノータス・シュラニ
Photo by Drexel University

研究に携わったケネス・ラコヴァラ博士は、この恐竜の特にすごいところは尾であり今まで見た中で最もパワフルな尾であると語ります。尾の長さは30フィート(約9メートル)です。

ドレッドノータス・シュラニ
Photo by Drexel University

ドレッドノータスは草食性で、特徴的なペグのような形をした歯、厚板のような肋骨、巨大な脚を持ち、ティタノサウルス類に属しています。その巨体を養うため、絶えず大量の植物を食べ続けていたのではないかと科学者達は推測しています。

ほんとうにありえないほど巨大ですが、想像上の生物では無いということに個人的にはワクワクしてしまいます。

参考文献:CBS News, Huffington Post