カリフォルニア大学デービス校 MIND Institute の研究者達は、自閉症の子供を持つ母親を含む346人の母親を対象に、妊娠と授乳が終わる3ヶ月前の期間のビタミン類を含む栄養サプリメントや朝食シリアルの摂取状況を調べ、そして消費されていたサプリメントの摂取頻度・服用量・ブランドを含めた毎日の鉄分摂取を調査しました。

その結果、出産時の母親の年齢が35歳かそれ以上の場合、もしくは肥満高血圧や糖尿病といったメタボリックな問題を抱えている場合、鉄分の低摂取によって子供が自閉症になるリスクは5倍であることが発見されました。

サプリメント
Photo by Dav Yaginuma

カリフォルニア大学デービス校の Department of Public Health Sciences の助教授であり MIND Institute に所属している研究者でもあるレベッカ・J・シュミット氏によると、鉄不足とそれによって起こる貧血はもっとも一般的な栄養不足(特に妊娠中)であり、40~50%の女性とその乳児に影響しています。鉄分は初期の脳発達に不可欠であり、神経伝達物質の生成・ミエリン形成・免疫機能に貢献しています。そしてこれらの三つ全ては自閉症と関係があるそうです。

同じくシュミット氏率いるカリフォルニア大学の研究者たちは、以前の研究で「妊娠初期の葉酸の摂取は子供の自閉症リスクを低減させることと関係している」との研究結果を発表しています。(ソース

今回の研究結果についてシュミット氏は、妊娠中の推奨された量のビタミン類の摂取は推奨しているものの、更なる研究が必要であると語っており、まずドクターの推奨に従うようにと語っています。

「母親の鉄サプリメント(補足的な鉄分)の摂取と自閉症スペクトラムのリスク」と題された今回の研究についての論文が American Journal of Epidemiology において発表されています。

参考文献:ScienceDaily