フランスに住む3000人を対象に行われた調査で、不規則な時間帯の労働(シフトワーク、交替制労働)を長期間に渡ってしている人たちは、規則的な労働をする人よりも著しく記憶と認知スピードのテストで悪い結果が出たとのことです。

トゥールーズ大学とスウォンジー大学の研究者達によると、不規則なシフトワークを10年間行った場合に起こる認知機能の減少は、6年半の間に老化によって自然に減少する量と同等であるそうです。つまり、10年間シフトワークを行った場合、通常よりも6年と半年分脳が余分に老化していると考えることが出来ます。

ブリュッセル
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シフトワークが脳にどの様に影響してこのような差が生まれるのか、そのはっきりとした仕組みは解明されていませんが、体内時計の乱れはストレスホルモンの過剰分泌を引き起こし、それによって脳組織の破壊が起こると考えられていることから、長期間にわたって昼夜を交互に労働するシフトワークでもこれと同じようなことが起こっている可能性があると仮説されています。

また、夜型のシフトワーカーの場合にはビタミンDの不足が起因している可能性があるとも仮説されています。ビタミンDは食物による摂取の他に日光を浴びることによっても生成されるビタミンであり、不足すると脳機能に悪影響が出ると考えられています。

ヒトにおいては、午前10時から午後3時の日光で、少なくとも週に2回、5分から30分の間、日焼け止めクリームなしで、顔、手足、背中への日光浴で、十分な量のビタミンDが体内で生合成される。

太陽光から隔離されるような環境では、上記目安量(5.5μg(200IU)/日)の摂取では不足することが示唆されている。例えば、潜水艦の乗組員での調査では400IU/日の摂取でも血中ビタミンD濃度を適切に維持できないとの報告がある。 食事からの摂取だけでなく、日光浴も大切である。

ビタミンD - Wikipedia

研究者達によると、シフトワークによって起こった認知機能の減少は元に戻すことが可能であるそうです。しかしながら、その改善が見られ始めるのはシフトワークから離れて5年目からだそうです。

参考文献:The Independent